第17章 激突、ヒーロー殺し!
「立て!!まだ奴は……」
「やっと動けたっ!!!!」
ようやく戦える!倒れていた身体を立ち上がらせて、すぐさま後ろを見る。すると、氷にひっかかるようにして気絶しているボロボロなヒーロー殺しの姿がそこにはあった。
「……さすがに気絶してるっぽい?」
ぽかんとした表情で言う緑谷君もボロボロで、特に足から酷い出血をしている。腕も痛めてしまったのか、庇うように右腕に触れている。飯田君も、焦凍も、酷い出血だ。
「じゃあ拘束して通りに出よう。何か縛れるもんはねえか?」
「ちょっと待って。探してみる。」
拘束して通りに出ようという焦凍に従って、何か拘束できるものがないかを探す。ロープとか入ってないかなー?と思ってすぐそこにあったごみ置き場を探ってみると、使われなくなったロープがそこにあった。使用済みではあるけれど、ほつれもないし固い。ありがたく拝借して、念のためにとヒーロー殺しから武器を外している緑谷君と場所を代わってもらう。
「流石ごみ置き場。あるもんだな。」
「ごみ置き場のそばで助かったね。」
運がいい。と話す焦凍に頷いて、ヒーロー殺しの腕と身体にロープを巻き付ける。しっかりと拘束できたことを確認して、ロープの端を手に立ち上がる。
「緑谷君は歩けないし、飯田君は腕がぐちゃぐちゃ。焦凍はまだ軽傷だけど、出血してるんだしここは無傷の私が引いてくよ。」
「大丈夫か……?相手は成人男性だぞ?お前には重いんじゃねえのか?」
「大丈夫。引きずるだけなら筋力あげれば余裕。」
腕に個性をかけて引きずって見せると、ようやく納得したらしい。動けない緑谷君はようやく挨拶できたプロヒーロー・ネイティヴに背負ってもらって、飯田君と焦凍には歩いてもらうことに。