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人魚姫は慟哭に溺れる【ヒロアカ※轟夢】

第16章 いざ、職場体験へ!


 会議はこれで終了したようで、サイドキックの人達とエンデヴァーさんが明日の準備を行うために会議室を出ていく。会議室に残った私と焦凍は、同じくこの場に残ったサイドキックの人を見つめた。

「じゃあ、さっそくこの事務所を案内するよ。」

 厳ついエンデヴァーさんとは対照的な優しい声でそう言って事務所の案内が始まった。
サイドキックの人の説明によると、基本的にヒーロー達が待機をするのはビルの下層フロア。応援要請が来た時に態々エレベーターなんて待っていられないからという理由からなんだとか。
上層はサイドキック達の情報やヴィランの情報を扱う事務のフロア、そして現場に出ているサイドキック達に情報を共有するオペレーター達のいるフロアで、私達ヒーローがこちらに訪れることは滅多にない。

「――で、ここが地下の訓練施設。様々な個性をもったサイドキックがいるから、道具や設備は充実している。まぁ、特に充実しているのは炎熱系だけどね。エンデヴァー事務所だし。」

 エレベーターに乗って降りてきた訓練施設はとても広々としていて、地下にあるとはとても思えない程だ。どれだけ暴れても大丈夫なように頑丈に作られているらしく、ちょっとやそっとじゃビクともしないから十二分に使ってね!と優しそうな顔でとんでもない事をサイドキックの人は言ってのけた。

「ちなみに、炎熱系の個性を扱う時はあっちのエリアでやってね。火災警報器が鳴ってスプリンクラーが発動しちゃうから。」
「……それは、気を付けないとですね。」

 脳内で喧嘩したエンデヴァーさんと焦凍がスプリンクラーに頭を冷やされるシーンが思い浮かんでしまったのは、仕方ないと思う。

 訓練施設内の案内を受けていると、エレベータのチーンという音が聞こえてくる。乗っていたのは、エンデヴァーさんだ。
 
「案内は終わったか?」
「ええ。ある程度。後はちょっとした細かいことくらいですよ。」
「ふむ。ならばいい。お前は仕事に戻れ。」

 頷いたサイドキックの人は、じゃあねと手を振って上の階へと戻っていった。彼も、明日の出張のための準備をしに行ったんだろう。
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