第3章 合否通知
『さて、至情少女!まず私から君に言うことがある。……合格おめでとう!筆記試験も実技試験も素晴らしい点数だった!』
オールマイトの真剣な表情にごくりと喉がなったものの、合格を確信してから聞いているから緊張は封筒を開ける前ほどじゃない。でも、改めて合格だと言われると実感も沸くし、なによりあのオールマイトにおめでとうと言われている!これは、発表を受けた人皆テンションがあがってるんじゃないかな。ちらりと隣に座る焦凍を盗み見る。私にこれを見た方がいいって言ったのも、オールマイトがお祝いしてくれるのを知ってたからだね。ちょっぴり嬉しくなったから、気持ちを共有したくて焦凍の手をぎゅっと握った。
『実技における君のヴィランpは65p!実に素晴らしいポイントだ。だが、注目していたのはこれだけではない。ヒーローは人を救ける職業、つまり救助活動≪レスキューpが存在する!しかも審査制!君は強大な0pヴィランによってパニックに陥った受験生を救ける為に皆に冷静に避難するよう声を上げ、逃げる彼らの為にヴィランを見事足止めしてみせた!救助pは50p!よって実技における君の合計ポイントは115p!ぶっちぎりの首席合格さ!』
首席合格、確かにオールマイトはそう言った。ゆるゆると表情筋が緩むのを止められない。これなら、焦凍の隣に立っていられる。頑張ったかいがあった!
「焦凍、私頑張った!」
「おう。でも、負けねぇ。」
満足そうに微笑みながらそういう焦凍に私も笑い返す。この嬉しい知らせは早く冬美さんに伝えなきゃ!もう映像も終わっただろうと思ってぬくぬくの炬燵から身体を出したけど、映像は途切れる気配を見せない。それどころかまだオールマイトは何かを話していた。
『そうそう、どうして私が合否発表を行っているのか。気になっているのではないかな?HAHAHA!実は、今年度から私が雄英高校に教師として勤めることになった!』
……なんですと?オールマイトが、教師!?エンデヴァーさんがめちゃくちゃ怒りそうだ!
衝撃の事実に焦凍の方を向く。いつの間にむいていたのか、炬燵机に置いてあったみかんを頬張りながら焦凍はちょっと自慢気にこっちを向く。
「驚いただろ?」
「聞かせたかったのはこっちだったんだね!?」
「他になんかあったか?」
「そういう子だよね、焦凍ってば……」
