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人魚姫は慟哭に溺れる【ヒロアカ※轟夢】

第11章 チアリーダーと、シリアスと、ガチバトル


「違うんだ……!俺のプライドの話さ……。俺が嫌なんだ。あと、何で君らチアの格好してるんだ……!」

 おぅ。今の状態でそこにツッコミを入れてきますか。尾白君を心配していた心に100のダメージが入ったよ。
尾白君の辞退宣言を聞いて、B組の方からも声が上がる。彼もまた、心操チームに入っていた人だ。

「僕も同様の理由から棄権したい!実力如何以前に……何もしてない者が上がるのは、この体育祭の趣旨と相反するのではないだろうか!」
『なんか、妙なことになってるが……』
『ここは、主審ミッドナイトの采配がどうなるか……』

 男らしい辞退宣言に切島君が感動している中、ミッドナイトの視線が尾白君とB組の人に突き刺さる。

『そういう青臭い話はさぁ……好み!!!尾白、庄田の棄権を認めます!』

 めっちゃくちゃ嬉しそうな声を出してぴしゃりと鞭を打つミッドナイト。なるほど、こういう青春ものがお好みですか。というか、好みで決めていいのか。自由だな、雄英。

『というわけで、繰り上がりは5位の拳藤チームだけど……』
「そういう話で来るんなら、ほぼ動けなかった私らよりアレだよな?」

 話を振られたのは、B組の人だ。左側にポニーテールをした綺麗な人がミッドナイトに答えを返し、確認するようにチームメイトの顔を見回す。組んでいた人達も文句はないようで、皆一様に頷いて拳藤さんに賛同する。何を言うつもりなのか、チームメイトにはわかっているんだろう。A組もだけど、B組の人達も仲がいい。

「最後まで頑張って上位キープしてた鉄哲チームじゃね?馴れ合いとかじゃなくさ、フツーに。」
「お……おめぇらぁ!!!」

 譲られると思っていなかったんだろう。B組の鉄哲チームの人が男泣きしながらその提案を飲む。鉄哲チームは4人。チームでの話し合いの結果、繰り上がりはさっきの男泣きの人、鉄哲君と髪が茨の塩崎さんって人になった。
彼らを交えて改めて順番にくじを引く。私の引いた番号は10。掲示板に表示されたトーナメント表で見ると、相手は芦戸さんだ。そして、緑谷君は……騒ぎの中心になった心操君とか。しかも、その試合に勝ったら次は焦凍とだ。想像以上にぶつかるのが早い。
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