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人魚姫は慟哭に溺れる【ヒロアカ※轟夢】

第11章 チアリーダーと、シリアスと、ガチバトル


「さぁ、時間ですわ。行きますわよ!」

 百ちゃんの声を合図に、皆で一緒にゲートからスタジアムへ出ていく。四方八方からたかれるフラッシュがチカチカと瞬く。

『YO!1時間の休憩も終わって、いよいよ午後の部だぜぇ!そんで最終種目発表の前に、予選落ちの皆へ朗報だ!』

時間になって、プレゼントマイクのアナウンスが響き渡る中で皆がぞろぞろと集合してくる。それを眺めていて感じる違和感。そう……私達以外に、チアユニフォームを着ている人が、いない。いや、いるっちゃいるけど……皆、なんか本格的なチアリーダー達だ。これって、つまり!?

『あくまで体育祭!ちゃんと全員参加のレクリエーション種目も用意してんのさ!本場アメリカからチアリーダーも呼んで、一層盛り上げ……ん?アリャ?』
『なーにやってんだ……?』
『どーしたA組!!?なんのサービスだぁ!?』

 だ、騙された!!!ああ、相澤先生の呆れた声が聞こえたよ……!そうですよね、言う訳ないですよね、こんな不合理!あー!どうして私はこんな恥ずかしいのを着ているの!?やだー!!!

「峰田さん、上鳴さん!!騙しましたわね!?」

 百ちゃんの怒声を聞いても、問題の峰田君と上鳴君に反省の色は見られない。むしろ、互いに親指立てて互いの健闘を讃え合っている!こっちが、どんな気でいるかも知らないで……!!!

「何故こうも峰田さんの策略にハマってしまうの、私……」
「マジか……マジか……」
「しっかりして、奏ちゃん。マジしか言えてないわ。」

 落ち込む私と百ちゃんを、麗日さんと梅雨ちゃんが慰めてくれる。私、もう梅雨ちゃんがいないとこのスタジアムで立っていられないよぅ……

『さぁさぁ、皆楽しく競えよレクリエーション!!それが終われば最終種目!進出4チーム、総勢16名からなるトーナメント形式!!一対一のガチバトルだぁ!!』

 一対一のガチバトルと聞いて、会場内が一斉に盛り上がる。毎年、雄英体育祭の最終種目は一対一形式なのは知っていた。けれど、純粋な戦闘力を見るガチバトルとは!
ヒーローは人気商売。派手なヴィランとのバトルは道行く人にとって一種の娯楽にもなっている。つまり、ガチバトルが盛り上がらないわけがない。
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