第10章 騎馬戦、開幕!
「ほら、僕達は自分の鉢巻きを守ればいいだろ?それなら、交戦はできるだけ避けて逃げ切りに徹した方がいい。なら、無理に攻撃をする必要はないから……」
「俺のダークシャドウは、“光が苦手”という弱点がある。闇が増す程攻撃力は増すが、獰猛になり制御が難しい。逆に、日光下では制御こそ可能だが、攻撃力は中の下といったところなのだ。」
「へぇ……!それなら、緑谷君の作戦は常闇君にとってもいい作戦だったわけだね。」
「ああ。知らなかったとはいえ、いい作戦を考える。先を託すに相応しい男だ。」
掛け値なしの称賛に、緑谷君が真っ赤になりながら不思議な動きを繰り出す。さっすがデク君!と自分が褒められたように喜ぶ麗日さんを見て更に挙動不審になっていく緑谷君を正気に戻し、更に作戦を練っていく。
――そして、用意された15分はあっという間に過ぎ去っていく。交渉時間が終了して、スタジアム内に大きくブザー音が鳴り響いた。
『さぁ、いよいよ始めるわよ!』
『15分のチーム決め、兼作戦タイムを経て!フィールドに12組の騎馬が並び立ったー!!さぁ、上げていけ時の声!血で血を洗う、雄英の合戦が今!狼煙を上げる!!』
前騎馬は、私。一番周りを見渡せる前方について、素早く走り続けるのが私の役割。左翼は常闇君で、後方の索敵や中距離の防御。右翼は麗日さんで、麗日さん以外の全員を浮かせて機動力の確保。そして――緑谷君は騎手。私達の頼れるブレイン役だ。
「麗日さん、至情さん、常闇君!よろしく!」
『よーし、組み終わったな!?準備はいいかなんて聞かねーぞ!!さーぁ、いくぜ!残虐バトルロワイヤル、カウントダウン!3、2、1――』
『スタート!』