• テキストサイズ

人魚姫は慟哭に溺れる【ヒロアカ※轟夢】

第9章 体育祭、開催!


『至情、まるでロボットをすり抜けるように通過―!おいおい、ロボが反応できない速さとか、どうなってんだイレイザー!?』
『至情は個性を上手く使った高速戦闘の技術を持ってる。そのスピードは、下手すりゃプロのヒーローにだって追いきれん。そのスピードの中で相手を捉える動体視力を持ってるんだからあの程度のロボットなんて止まって見えてるだろうよ。』

 ロボットの群れを抜いて、活性は使わずにひたすら前へ走る。スタートダッシュでのスピードはもうない。普通に走ると、筋力のない私は焦凍の走るスピードには負けてしまう。だから、今のうちに稼いだ距離を上手く使いながら最低限の活性で障害を乗り越えていかないと。

 次の障害へ続く道を半分程走ったところでプレゼントマイクがまた叫ぶ。焦凍が氷結でロボ・インフェルノを通過したらしい。丁度、半分程度か。もっと距離を稼いでおきたかったのに!
心の中で文句を言いつつ、呼吸とペースを守りながら必死にひた走る。そして、また次の障害が姿を現す。目に入るのはとんでもない大きさの大穴。穴には大小様々な足場があるようで、それぞれがぴんと張られたロープで繋がっている。

『先頭にいる至情が第二の障害に到達!落ちればアウト!それが嫌なら這いずりな!!第二の関門、ザ・フォール!!』

 身体能力にはそこそこ自信あるけど、ロープの上なんか走っていたら当然ペースは落ちる。穴は相当に大きく、節約を考えるとゲートの時みたいに直線状に飛ぶのは消費が激しすぎる。焦凍の氷結なら、スピードを維持したまま簡単に通り抜けできてしまうはず。なら、もう仕方ない。多少差は縮まっても、最後に勝てばいい。
 崖のギリギリまで走りながら、斜め上方向へと円の列を作る。勢いよく上へ、円に飛び込むように飛ぶ。すると運動エネルギーがガンガン増加され、風を切りながら私は空へと射出された。
びゅうびゅうと凄い風の音が耳を打つ。汗をかいた身体に思いっきり扇風機でも浴びているような感覚の次に襲ってくるのは、ふわりとした浮遊感。下を見下ろしてみれば、狙い通り丁度中間地点の上空で最高点に達したらしい。
/ 272ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp