第2章 右目を追う
「・・・柔らけぇな、アンタ」
「あ、あっ・・・ん・・・やっ・・・・」
「嫌だって反応には見えねーぜ」
「そんな、こと、なっ・・・あっ・・・」
胸の頂を転がされるたびに、体の芯が刺激されるようだった。
なぜかその刺激は下半身につながっているようで、意図していないのに腰が浮き、足がうねった。
「ま、政宗殿、なんだか変だっ・・・私っ・・・体がっ・・・」
「・・・ったく、フザけんじゃねぇ・・・エロいんだよ、テメーはっ・・・」
今度は私の体の下で、彼が左の籠手をも外したのが分かった。
その手がどこへ入っていくのか、私は快感と羞恥で朦朧とする意識の中でも、まさか・・・と予測が立っていた。
しかしそれに対する準備ができる前に、その手は私の腰ひもを弛め、そこに入っていったのだ。
「や、やっ、だめだっ、あっ・・・!」
足の付け根から該当の場所に無理やり押し入ってきた。
男らしい手の感覚がこの体の奥へと奥へと進んでいく。
その指は最も敏感であるところを探し当てると、指の腹を押し付けて、そのままグリグリと刺激してきたのだ。
・・・その快感たるや、私の想像をはるかに越えていた。
「あっ・・・ん、んんっ・・・ま、政宗殿っ・・・!」
「紫乃・・・」
くちゅ、くちゅという水音がした。
どこから出ている音なのか、自覚すると恥ずかしさで頭が真っ白になった。
「なぁ、聴こえてんだろ?」
「んっ・・・んぁっ・・・や、めっ・・・」
「お前の音だぜ紫乃。・・・濡れすぎだ。自分で聴いてみやがれ」
わざわざ水の出どころをかき回すようにして指を動かされると、水音は激しさを増した。
濡れている、という自覚はなかったのに、政宗殿の指がこすれる度に、その水の生み出すぬるぬるとした感触で間違いなく快感は増長していた。
胸元と下半身に力強く絡まる腕にもうギュッと掴まっているしかなかった。
押し寄せる快感に、目を閉じて、足を震わせ、勝手に口から漏れる自分の声の羞恥に耐えるしかなかったのだ。