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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第2章 右目を追う




「ああ、君はもう帰りたまえ。やはり生身の女など、歴史を刻み朽ちゆく高貴な品を前にすると、ひどく見劣りする」

「・・・は?」

「体が動くようになるまで、そこの哀れな忍と語らうといい」

「ちょ、松永っ・・・」


意味の分からぬうちに、私をこの薄気味悪い部屋に置き去りにして行ってしまった。

・・・いや、こちらとしては興が冷めたのなら好都合だが・・・なぜだろう、一方的に失礼なことを言われた悔しさが残った。


「・・・」


そしてこの謎の忍と一緒にされたままだ。


「あの・・・風魔小太郎。私についている必要などない。勝手に出ていく」

「・・・。」

「何とか言ったらどうだ」

「・・・。」


こいつ口が利けぬのか?

なんにしろ、こうして動けぬところに側に立たれては気味が悪い。

噂の伝説の忍が、物言わずあの松永の宝探しになんて手を貸しているとは・・・。


「・・・そういえば、先程の刀、豊臣のものなのだろう? どこから持ってきた? 大阪の城に忍び込んだのか?」

「・・・。」

「城に入ったのだな! そこに佐助様が向かっていたはずなのだ! 見たか!? お前まさか攻撃したりしてないだろうな!?」

「・・・。」

「片倉殿は!? 伊達の副将が囚われていたはずだ! 逃げ延びていたか!?」

「・・・。」


なるほど、こいつ、物は言わずが・・・

どうやら意志の疎通はできるようだ。


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