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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第2章 右目を追う




すると見かねた元親は、茶化すのをやめて真剣に答え始めた。


「・・・まあ、聞いたとおりだ。紫乃とはそういう仲じゃねぇ。
例え俺にその気があったとしたって、紫乃はどうやら意中の男がいるみてぇだからな。そいつに夢中で俺の入る隙なんて残ってねぇのさ。さすがに横恋慕する気はねぇってもんよ」


なっ・・・・


「元親!!」

「おっと、こりゃ言っちゃいけなかったか?」


元親はおそらく、前に話した私の「想い人」というのが、政宗殿であると気づいている。

政宗殿の前で私にそれを問い詰めないのがその証だ。

でも気づいた上で、本人にそんなことを言うなんて・・・

恥ずかしくて政宗殿の顔が見られない。

真っ赤になった顔を、ぐるりと彼から背けた。


「・・・へぇ、意中の男ねぇ。初耳だ」

「・・・。」


ちくしょう、政宗殿、ニヤニヤしやがって。

完全に自分のことだと思っている。

いや、そうなんだけども。


「うるさい! そんな相手は今はいない! 血迷っていただけだ!」


いくら詮索されようと、もう私からは憎まれ口しか出てこないだろう。


「これで俺の疑いは晴れたってもんだろ。そろそろ大阪攻めの策を練らせてもらうぜ」


元親が話を戻したので、それを逃さぬように、さっそく策を出した。


「奇襲をかける若狭回りと、その隙に山城から大阪を突く本隊に分かれるのはどうだ? せっかく大将が二人もいるのだから」

「OK.それじゃ奇襲は任せたぜ、西海の鬼」
「よっしゃ。若狭回りは任せたぜ、独眼竜」


・・・・・。


「「ああ"!?」」


そうだった。

コイツらどちらも、囮を引き受けるような質じゃなかった。


「ふざけんじゃねぇぞ! こっちに囮になれってのか!?」

「そっちだって俺たちに囮になれってのかい!?」


ああもう、やっぱりこの二人・・・似ている。



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