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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第1章 再会の意味





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奥州へ来るのはいつぶりだろう。

様子見はずっと佐助様に頼んでしまっていたし、安土山で別れたきり政宗殿のことは見ていない。

・・・おそらく、私が無意識に避けている。


──あのときの接吻が忘れられなくて、ずっと唇に感触が残っている気がするのだ。


─『俺はアンタに心底惚れてる。』─


もうすっかり忘れているフリをしながら、私は覚えている。

あのときの政宗殿の顔つきも、声色も。
接吻の味も。


「・・・こんなことで、会えるわけないだろう・・・ 」


だから会いたくなどないのだ。

会えば私は、また・・・



「あれ? 紫乃? 紫乃か!?」


この間の抜けた声は・・・


「孫兵衛!」

「久しぶりじゃねーか! 何してんだよこんなところで!」


城の周りを隠れもせずフラフラしていたところへ、懐かしい顔がやってきた。

小太りの孫兵衛だ。

その顔を見た瞬間、ここで過ごしたときのことを思い出した。


「また任務で来たのだ。会えて嬉しいぞ孫兵衛」

「なんだよ、てっきり筆頭と逢い引きに来たのかと思ったぜ」

「なっ・・・馬鹿なことを言うな!」

「でもよぉ、お前が甲斐に戻っちまっても筆頭は特に変わらねぇし・・・お前、嫁に来るならそろそろ急がねーと、筆頭はお前のこと忘れちまうぜ」

「・・・なっ」


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