第2章 右目を追う
「・・・・おい」
ついにそのドスの利いた政宗の低い声が響き渡る。
「・・・ふんぞり返って馬をカツアゲしやがる野郎の、どこがいい男だ?」
そう紫乃に言ったが、その目は紫乃ではなく、元親を睨み付けている。
その視線に、元親はニヤリと笑って返した。
「政宗殿! きっと元親にも何か理由があるのだと思う! まずは話を聞こうじゃないか!」
「うるせぇ! いい加減にしやがれこの尻軽女! なんでさっきからテメェは道中会う野郎どもと顔見知りなんだよ!」
「なっ・・・し、し、尻軽だとっ・・・!? ふん! そもそもお前の女になった覚えはないぞ!」
「あぁああ"!? ふざけてんじゃねぇぞテメェ! どこの世に好きでもねえ男にkissされて腰砕かす女がいるってんだ!?」
「やややややめろ言うな!! 砕かしてなどいないっ!!」
────その言い合いは、「まあまあ・・・」と両軍が止めに入るまで続いたのだった。