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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第2章 右目を追う




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武田に扮した豊臣の兵は、武田・伊達によって殲滅し終えた。

武田の兵には直々にお館様が加勢し、殲滅した後には政宗殿の前に立ちふさがった。

お館様・・・。


「独眼竜よ。じきにこの地を通るころだと思うたわ。・・・紫乃が世話になっておるな」

「オッサン。じゃじゃ馬の世話ももう慣れてきたぜ。こっちで引き取ってやらぁ」

「ふはは! やりはせん。まだ紫乃は幸村に宛がっておるでのう。・・・ときに独眼竜。このまま大阪へ攻め入らんとするに、勝機はあると思うておるのか?」


・・・お館様、やはり・・・


「勝機のある戦ばかりが戦じゃねえ。俺は取り返さなきゃならねーもんがあるから行くだけだ」

「一軍で乗り込んでどうにかなる相手ではない。それはお主も分かっておろう。どうじゃ、お主が小田原を摂り、上杉とともにこの関東に強固な壁を作りはせんか。

「生憎だが、俺は誰とも手は組まねえ。分かってんだろ? オッサン」


ほら、思ったとおりだ。

政宗殿は武田であれど手など組まない。
分かっていたはずなのにお館様が打診しているのは、それだけ豊臣に対抗する策に急いている証拠だ。


「・・・紫乃。お主はどう思うのじゃ」

「お館様・・・」


私に聞いている。

それは、伊達にお館様の策に加勢するよう説得せよということだ。

威圧するような目でこちらを見つめている。

答えねば。

お館様のお考えは分かっているのだから、私は、その通りにっ・・・

・・・でもっ・・・



「・・・お館様。伊達軍は、このまま大阪へと向かいます」


私の返答に、お館様の隣にいた佐助様は眉を寄せた。

佐助様には信じられないかもしれない。

お館様に従い、敬っていながら、こうして伊達を優先させる。

与えられた任務を果たせぬ私に呆れているに違いない。

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