第2章 右目を追う
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「政宗殿、降ろせ。なぜこのまま走る」
私を自身の馬に乗せたまま降ろす気配なく走り続けている。
横向きに座らされたまま、背に軽く腕を回し支えてくれている状態。
これはなんとも恥ずかしい。
乗せるならせめて後ろ側に乗せてほしい。
「テメェは躾がなってねぇようだからな。放っとくとさっきみてぇに野郎にシッポ振りやがるだろーが」
「なっ・・・そんなつもりはない!尻軽みたいに言うな! 私はお前だけっ・・・」
───おいっ
馬鹿私、何を口走っている。
「・・・俺だけを、何だ?」
「・・・何でもない」
「おいおい。はぐらかすのはテメェの専売特許か?」
「うるさい! もう喋るな!」
伊達の兵たちが、まるで和やかな日常を見ているかのように微笑みながら私を見てくる。
恥ずかしいからやめてくれ。
「なぁ紫乃。楽しいpartyになりそうじゃねぇか」
「・・・そうだな」
でも、いいか。
たまには、こんなのも。