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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第2章 右目を追う





──上杉軍が退却していく・・・


私はやっと気づいた。

政宗殿、そして伊達の兵たちの傷を癒す時間。
そして体制を整え冷静になるための時間。

謙信殿は、ここで私たちを足止めしてそれを下さったのだ。


──それは本来なら私がやるべきだったこと。

感情を優先させてしまい役目を果たせなかった私の代わりに、こうして力を貸して下さった。


上杉軍が後退していくにつれ、次第に中に混じっていた謙信殿の姿も見えてきた。

隣にはかすが殿の姿もある。


「謙信殿っ!」


礼をしなくては。

お館様と同じく、私を心配してくれて、そして政宗殿の可能性を見いだしている。

信頼している武将の一人。


──私が人取橋の上へとかけていくと、白馬に乗った謙信殿もそこまで迎えてくれた。


「久しぶりですね、紫乃」

「謙信殿、こうして私たちに時間を作ってくださったこと、恩に着ます。・・・本当は、本当は私が伊達を引き止めるべきだったのですが・・・面目ないっ・・・」

「いいえ。紫乃はそれでいいのです」

「え・・・?」


謙信殿は優しげな笑顔を向ける。


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