第1章 再会の意味
「・・・その、軍議のとき、筆頭が仰ってたんだが・・・紫乃さんは大阪には連れて行かねぇって」
「なっ・・・」
「ついてこようとしたら追い返せって忠告を受けてんだ。・・・だから俺には・・・」
そんな・・・
政宗殿、本気なのか?
ここで伊達軍を離れることなどできない。
政宗殿にはそれが分からぬのか。
なぜそんなに私を拒否するのだろう。
「筆頭、ああ見えて、本当は気が気じゃねぇんだ。片倉様が拐われて落ち着かねぇところに、紫乃さんまで何かあったら、って・・・」
「だからこそだ。片倉殿のいない今、伊達軍の総力を決してアイツの背を守るべきじゃないのか」
「それはもちろん分かってっけど・・・でも、紫乃さんは伊達軍じゃねぇだろ?」
「っ・・・文七郎!」
なぜそんな突き放すようなことを言うのだ、文七郎。
私はもう伊達軍の一員だと、何度も励ましてくれたのに・・・
「俺たちとは違う。筆頭にとって、紫乃さんは伊達でも武田でもねぇ。特別なんだ」
「・・・っ」
「筆頭のこと好いてるなら、筆頭のために死ぬなんて言っちゃだめだ」
・・・でも。
でも、私はっ・・・
「あ、おい! 紫乃さん!」
文七郎との話を中断し、政宗殿がいる広間へと駆け出していた。