• テキストサイズ

【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第1章 再会の意味



出来の良い兵たちはあっという間に捌けていった。

文七郎も一度厨房に引っ込んですぐに食べ物を揃えると、超特急でそれを政宗の枕元に置いて去っていく。


「おい! 文七郎!」


それを不思議に思って引き留めようとした紫乃。

政宗は彼女の手を、もう一度強く握った。


「・・・っ・・・政宗殿、どうしたのだ」


彼の目は、いつものように険しい。

でも紫乃には分かった。

彼は弱っている。

大きな疲労と不安、やりきれなさ、そんなものが瞳の中で揺れている。

彼がそんな目をすることなんて今まで一度だってなかったのに。


「・・・政宗殿?」


心配になった。

なんでこんな目をしているのか、紫乃には分からなかった。

かわりに、握られた手をしっかりと握り返す。


「・・・大丈夫か? 政宗殿・・・」

「・・・なんで残った」

「え?」

「お前が殿になる必要はなかったはずだ」


彼が怒っていることに、紫乃はやっと気づいた。


/ 152ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp