第1章 再会の意味
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「くっ・・・! なんて数だっ・・・!」
予期していなかった敵襲に、伊達軍はがむしゃらになっていた。
周辺国がこぞって摺上原の地を介し伊達に攻め込んでくる。
私も冷静な判断ができなくなっている。
こうして目の前の敵に刀を振るうだけで精一杯だ。
終わりのない敵襲に、伊達軍の皆の刀も鈍ってきている。
「立て! 諦めるな!」
地にへたり込む兵たちに激を飛ばすも、もう皆の体力は限界にきている。
私はなんとか気力で刀を飛ばし、着実に活路を広げていった。
───片倉殿がいれば、こんなときどうすればいいか、すぐに判断して下さるのにっ・・・
片倉殿が不在の今は、私がそうあるべきだったのだ。
政宗殿の背を守り、どう進むべきかを指南する。
お館様には、その役目を任されたはずなのだ。
なのにっ・・・
「どうすればいいのか、分からないっ・・・」
自分の力不足を嘆くように飛ばした刀は、周辺国の兵たちを血しぶきを上げて倒していった。
目の前の敵軍をどうにか倒したときには、摺上原の伊達の戦況は不利に転じていたのである。