第1章 再会の意味
良直を落ち着けて、何が起こったのかを説明させた。
「じい様が俺ん家に駆け込んできて、片倉様が畑で連れ去られたって泣きついてきてっ・・・! 豊臣のとこにいた、あの竹中半兵衛って野郎の仕業です!」
「竹中半兵衛・・・」
覚えている。
川中島に豊臣秀吉とともに現れた男だ。
私の獲物と似たような刀を操る、いけ好かない男。
政宗殿は怒りを隠せずに歯を噛み締めており、私は代わりに良直に質問を続けた。
「なぜ連れ去られた? 無事なのか?」
「分からねぇ・・・。でもじい様が言うには、豊臣の軍に加われっていう話をされてたらしい。断ったから、里のじじばばを人質にとって、集団で・・・」
「そんな・・・」
なんて卑怯な・・・
片倉殿が里の者に慈悲をかけると知っての策かっ・・・
「筆頭ぉー! 大変ですー!」
さらに問題は次から次へとやってくる。
里から走ってきた孫兵衛と文七郎は、大慌てでこの庭へと転がりこんできた。
「どうした」
「敵襲っす! 平定したはずの南部、津軽、相馬が一気にっ・・・!」
「・・・チッ・・・!」
なんてときに・・・。
片倉殿が拐われ、本当は体勢を立て直さねばならぬときなのにっ・・・