第1章 再会の意味
意識がふわふわとどこかへ飛んでいくようだ。
気づけば私を見つめて接吻を強要する奴の肩に、手を置いていた。
「政宗殿・・・」
その唇に口をつけようと、顔を近づけた。
───そのときだった。
「筆頭ー! 筆頭ぉ!!」
「大変です筆頭!」
広間の外から、兵の声がした。
佐間助と良直の声だ。
政宗殿は眉を寄せたが、すぐに立ち上がって襖を開けた。
私はというと決意の口付けを躱(かわ)された上、ポツリと取り残され、一瞬放心してしまった。
しかしこんな夜更けに兵が呼びに来るのだから異常事態の発生だと把握すると、すぐに装束を整えて政宗殿を追って庭先へと出る。
「どうした? 裏切り者でも出やがったのか」
「筆頭ぉ! 片倉様がっ! 片倉様が拐われたみてぇです!」
えっ・・・・
「・・・・・・あ"ぁ"?」
片倉殿が・・・・?