第1章 再会の意味
「だっ、だから、その・・・たぶらかす、という表現は訂正してほしいというかっ・・・とにかくそれは間違いでっ・・・」
「俺にだけはこうされてもいいってわけか?」
「良いとは言ってない! でもっ・・・仕方ないだろう! お前といると、なぜだか何も考えられなくなるっ・・・。勘違いするな! それはこの体が勝手に抵抗できなくなってしまうだけで、別に私が政宗殿を臆しているわけではないのだぞ!」
恥ずかしくてくるくると口が回る私に、じりじりと距離を詰めてくる。
「っ・・・アンタ、それ、無意識で言ってんのか?」
「な、何がだ! ・・・お、おい、な、なんでそんな息が上がってるんだ!」
奴の体の下から後ずさりして逃げ出した。
お互いの吐息がかからないくらいに距離をとると、少し涼しくなったようにさえ感じる。
「フッ、まあいい。じゃあそういうことにしといてやるよ。今日のところはアンタの粘り勝ちだ」
「政宗殿・・・!」
「だが一つ条件を飲みな。・・・今、ここで、お前からkissしろ」
「っ・・・」
全然分かってないじゃないかこの野郎っ・・・
「政宗殿っ、それはっ・・・」
「できねぇっつんなら、さっきの続きをおっ始めるぜ?OK?」
・・・ち、ちくしょう・・・
ゴクリと唾を飲み込んで、奴の顔を見据えた。
・・・あの野性的な唇に、私から接吻しろというのか。
なに考えてるんだ本当にっ・・・
「・・・・っ」
でも、こうして奴の唇を見ていると、なんだかっ・・・
なんだか、変になってくる。
「・・・・」
「そうだ、それでいい。来な」