第1章 再会の意味
「政宗殿・・・」
どんな言葉を並べても、許される気はしない。
彼が私に対してかけてくれた恩に応えることができない。
「・・・分かっている」
「分かってねぇだろうが!」
「分かってる! ・・・お前の気持ちは、ちゃんと分かっている。伝わっている」
本当は素直になって、この胸に身を寄せてしまいたい。
でもそれはできないのだ。
だからせめて、嘘はつかないことにする。
「お前とのこと、今は、私には答えられない。でもっ・・・私は、こんなこと、他の男にはっ・・・お前以外の男には、許したことはないっ・・」
そう言うと、政宗殿はコロッと表情を変えた。
険しい顔をしているが、そこからすっかり怒りは消えていた。
「・・・へぇ?」
見るからに機嫌が良くなった彼に、私は次に何を言うべきか考えられなくなった。