第1章 再会の意味
政宗殿は私がこの羞恥にどれほど困惑しているのか理解しているのだろう、決して装束は脱がさず、自身も袴を緩めることはしなかった。
この月明かりの中、脱がされてしまっては私はもう恥ずかしさに耐えることはできないだろう。
装束の隙間から差し入れた手を、ゴソゴソと探るように動かすだけ。
──それでも彼の手の感覚と、脚に擦れる袴のサラサラとした感触。
わずかな地肌の感覚だけでも、私はのぼせ上がった。
「あっ・・・!」
奴の指は、胸の頂をなじるように動いた。
分かりやすく反応してしまった私に一瞬動きを止めたが、そこからは余計に気持ち良いところを探るように再び動き始める。
ついには唇にひとつ口付けを落とすと、そこから首もとへと彼は唇を移動させていった。
「はぁっ・・・ま、政宗殿っ・・・」
彼の髪が、サラサラと顔にかかった。
おそらく私の首すじを吸っているのだが、視界から彼が消えて天井しか見えなくなった私には把握できない。
「あ、あ、あっ・・・だ、だめだって・・・言ってるっ・・・」
首もとから、さらに下へと湿った唇の感覚が移動していく。
──そのとき・・・
─『お館様!そのお役目、この幸村が成し遂げて見せましょうぞ!!』─
・・・っ・・・!
ふ、と。
幸村様の顔がよぎった。
「だめだっ!!」
──その瞬間、そう叫んで、被さっている政宗殿の体を、力いっぱい押し戻していた。