第1章 再会の意味
男にこんなことをされるのは初めてだ。
・・・いや、正確には松永のことがあるから初めてではないが。
しかし想い合う男女が契りを交わすという意味でのこの行為は、初めてに違いはない。
──自分が信じられなかった。
例えば誰かと婚姻することになったのなら、いつかこのようなことになるのだと知ってはいた。
でも今まで、そんなことはずっとずっと先のことだと思っていたのだ。
そもそも想い合う者が相手だとも限らなかった。
婚姻は家のためにするものであって、私もいつか立場上必要な相手を、いつか誰かに示されるのだと思っていたのだ。
そして、それでいいと思っていた。
それが当たり前なのだと。
こんな風に、自分の想う相手に触れられる日が来るとは思っていなかった。
それがこんなにも心地良いということも、知らなかったのだ。
「・・・んっ・・・政宗殿、やっぱり、こんなことはっ・・・」
「・・・黙ってろ」
右胸を包むように触れられると、そのまま軽く揉みしだかれた。
その手の動きに合わせるように息が上がっていく。