第1章 再会の意味
「っ・・・な、何をするっ・・・」
「まずはその口が嘘を言ってねぇか、確かめてやる」
「っ・・・!?」
唇が重なると、すぐに噛み締めている歯列を割って、奴の舌が入ってきた。
「んっ・・・ん・・・」
ここへ来たときにされた口づけは、ゆっくりと唇を遊ばれて、それから舌が入ってきたのに。
今の口づけはそんな余裕はなく、彼の舌は私の舌を探り当てるように動いている。
「政っ・・・ふ・・・あっ・・・」
「・・・ハァ・・・」
「こんっ・・・なことで、分かっ・・んっ・・・」
何も考えられない・・・。
口の中の慣れない感覚だけが、敏感に反応する。
いつも感じてしまうけれど、この感覚は・・・本当に気持ち良い。
「ハァ・・・いい顔だな、アンタ」
「・・・ほ、本当にっ・・・これで、調べているのかっ・・・?」
「ああ」
・・・調べているのなら、仕方ない。
もう一度降ってくる接吻を、私は目を閉じて受け入れた。
──これは、私が裏切り者でないか、調べているだけなのだ。
ただそれだけなのだから。
・・・そんなこと嘘だということくらい、私だって分かっていた。
でもそう思い込まないと、こうして理由をつけてもらわないと、政宗殿を受け入れることができないのだ。
政宗殿には、そんな私の心の内を全て見透かされている。
私は彼の舌に応えるように、自分の舌を差し込んだ。
今だけは、この感覚に酔いしれることができる。