第1章 再会の意味
────片倉殿が兵たちを追い出していったおかげで、広間には私と政宗殿だけになった。
疑われているなんて思いもしなかったから、私はどうやって疑いを晴らそうかということで頭がいっぱいになっていた。
「・・・ま、政宗殿。私は本当に、お前に加勢するつもりで奥州へやって来た。確かにこの期にいきなり戻って怪しいと感じるかもしれないが・・・」
必死で言葉を選んでいたが、政宗殿の表情は変わらない。
月明かりが差し込む広間に、静かに佇んでいるだけだった。
立て膝をついて偉そうに座っている政宗殿に、私は向かい合って正座し直した。
「聞いているのか。私は・・・」
「・・・調べてみねぇと分からねえな」
なっ・・・
こいつ、私を調べねば信じぬというのか・・・
「じゃあ調べるがいい! 私は潔白だ! 自信がある!
ほら、どんな調べ方をするのか知らぬが、好きにしていい!」
「・・・OK.」
ニヤリと笑った政宗殿は、月明かりに照らされて妖艶で、私は思わず息を飲んだ。
袴の袖から出ている逞しい腕が、私の後頭部へと伸びていく。
「!? な、お前・・・」
こうして手を添えられると、決まっていつも唇が重なることを思い出した。
「待てっ・・・」
「黙ってろ。・・・好きに調べていいんだろ?」
な、な、何だっ・・・
手を添えられたまま、ゆっくりと後ろに倒されていく。
私の顔の横の床に手をついて、政宗殿は仰向けの私に覆い被さってきた。