第1章 再会の意味
───その夜、いつものように軍議が開かれた。
広間の上座に袴姿の政宗殿が立て膝をついて座っており、その横に片倉殿を据えている。
二人に向かい合うように大勢の上層の兵たちが同席していた。
私はといえば、こうして片倉殿の隣にいる。
伊達の軍議の場で、よそ者の私がこんなところに座っていいのか疑問だが・・・。
「政宗様。川中島での豊臣の進撃、伊達が武田と上杉の戦に乱入することを知っていた様子でございました。・・・この軍議の場におらねば知り得ぬこと」
「・・・ここに混じってるってのか、あの猿野郎の手先が」
二人は兵たちの顔を見渡して、目を細めた。
・・・たしかに、その可能性は十分にあり得る。
お館様も以前、伏兵を紛れ込ませた小田原と宇都宮に攻め入られた。
新顔が増えている伊達軍にも、すでにこの場に伏兵が混じっていてもおかしくない。