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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第4章 雪どけの朝




──伊達軍も集まって武装し、城へ迫る武田軍の前に立ちはだかった。

武田軍は、お館を先頭に、幸村様や佐助様もそこにいた。

里とは反対方向からやってきたものの、もう城のすぐ目の前に来ている。

お館様の前に立つことが怖くて仕方なかったが、私だけ隠れて震えているわけにはいかず、政宗殿の隣に立った。

私を見て、お館様は・・・


「紫乃よ。あれがお主のけじめの付け方だというのか。甲斐を去り、わしらを裏切る、と」

「っ・・・お館様・・・」

「随分と浅はかな考えじゃ」


体を貫かれるような、お館様の冷たいお言葉。

側にいる幸村様は「しかし、お館様」と庇ってくれるが、お館様は厳しい表情を変えようとはしなかった。


「・・・申し訳ございません。しかしこれが、私の出した答えなのです」


私が一人で立ち向かっていると、政宗殿は、肩を抱いてくれた。


「分かったろ? 甲斐のオッサン。コイツはもう俺のモンだ」

「いや。独眼竜。お主にはやらんぞ。紫乃は武田のものじゃ。」

「あぁ? 頭の固いオッサンだな。やるってのか?」



──政宗殿は、刀に手をかけた。


「・・・紫乃よ。お主は勘違いをしておる。なぜ独眼竜と結ばれることが、わしらへの裏切りとなると思うのじゃ」

「・・・え?」


お館様の言葉に、政宗殿は刀の柄を握っていた手をおろした。


「愛する者のそばにいる、若いお主がそれを望むことは、当たり前のこと。よもやわしが、それを許さぬと思うたか」

「い、いえ、しかし・・・今は戦国の世。誰もがそういう気持ちを押し殺し、戦い、のしあがる世でございます。・・・私だけが、こんな勝手を許されるのかと・・・」

「ならば変えればよい。その世を。お主らで」


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