第4章 雪どけの朝
それは、二人が果てるまで、長く長く続いた。
お互いの気持ちを、快感を求め合うことで手繰り寄せていた。
疲れはて、私たちが横になっているこの部屋には、酒とか、男とか、女とか、色々な匂いが充満していた。
「・・・政宗殿」
彼の腕に頭を乗せて眠りながら、ポツリと彼を呼んだ。
「・・・どうした」
「私はしばらく腰が使い物にならぬぞ」
「フッ・・・そりゃ悪かったな。でも悦かったろ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・そ、それは、まあ・・・よかった」
「・・・」
驚いた顔でまじまじと覗き困れると、さすがに恥ずかしくなり、顔を背けた。
すると、無理矢理顔を戻されて、口づけを落とされる。
「素直になったな、アンタ。可愛いじゃねぇか」
「可愛い可愛い言うなっ! 恥ずかしいだろ! ・・・だって、仕方ないじゃないか。もう私には、お前に反抗する理由がないんだ。・・・お前に触れられて、求められて・・・それが気持ち良くないわけない・・・。」
「・・・・オイ紫乃、煽ってんのか?」
「煽ってない!」
とてもあと一回など、この腰では無理で、私はまた覆い被さってくる政宗殿の体を押し戻した。
冗談だったようで、彼はすぐにまた私の隣に寝そべった。
「・・・ん?あれはなんだ?」
窓の外の景色が目に入り、私は体を起こした。
「どうした。」
「外が、なんだか白く・・・」
私が立ち上がって窓際に寄ると、政宗殿も腰をあげ、ついてきた。
「初雪だな」
「雪・・・?」
降り積もる雪は、まるで私たちを見ているようであった。