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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第4章 雪どけの朝




──しかし、いつまでもこうしていてはダメだ。

政宗殿の元に、ちゃんと戻らなければ。


屋根裏から襖の前の廊下へストンと降りると、その襖に向かって細い声で呼び掛けた。


「・・・政宗殿」


呼び掛けた瞬間、中にいる政宗殿が腰を上げ、こちらへ来ている気配が伝わってくる。

私は、前にここへ来たときはこの襖を開けられなかったのたが、今度はこちらから、襖を開けた。


「・・・戻ってきたぞ、政宗殿。待たせてしまったか?」

「・・・フッ、お前にしちゃ、随分と早い方だぜ」



紺の着流し姿の政宗殿は、いつも以上に麗しく見えた。

襟元が緩く、帯も引っ張ればすぐに解けてしまいそうで、私はなぜか、自分の帯の方をしっかりと締めた。


私は中に入り、襖を閉めた。



「・・・政宗殿」

「なんだ」

「甲斐から祝いの酒を持ってきた。豊臣を討ち果たした祝いだ。・・・一献」

「・・・気が利くじゃねえか」


政宗殿は片倉殿とよくここで酒を飲むのか、用意せずとも、二人分の猪口が備えられていた。

それをひとつ政宗殿に持たせ、徳利に入った酒注いでいった。

鼻をつくような酒の匂いがする。


注ぎ終わると、政宗殿は私から徳利を奪い、その注ぎ口を私の方に向けた。


「え・・・?」

「お前も飲め」

「あ、いや、自分で・・・」

「いいから寄越せ」


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