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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第4章 雪どけの朝





どれくらいそうしていただろうか。

流れきった涙は、やがて乾いていった。

幸村様は、私の肩に置いている手を、ポン、ポン、と優しく動かし始めた。


「某は、なんとなく分かるのだ」

「え・・・?」


眠ってしまいそうになるほど心地よい、優しい肩の振動に、つい意識がぼやけてしまったが、そんな私に、幸村様は語りかけた。


「某にとって、政宗殿は、特別な存在でござる」


幸村様は、どこか遠くを見ている。


「・・・特別な存在?」

「某には今まで、真に戦いたい相手などいなかった。お館様の背中を追いかけて、そこで出会った兵たちを倒し、道を開いて来たのみ。・・・しかし、政宗殿は違うのだ。某が心から超えたい壁であり、真に刃を交えたい相手であり、将来、この戦国の世を共に担うべき友。そんな存在なのでござる」

「幸村様・・・」

「共に育ち、励み、紫乃とはその目に同じものを映して暮らしてきた。某と紫乃は、似ているのでござる。・・・なれば、紫乃が政宗殿に惹かれた気持ちは、某にもよく分かるのだ」


幸村様は、きっとお辛いはずだ。

政宗殿の魅力を認めること、それを言葉にすること。

私のために、それをして下さった。

私の気持ちを受け止めて、それを応援するために。


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