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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第3章 幸村の想い




「・・・政宗殿・・・」


思えば、彼にこうして抱き締めてもらうのは、あまりないことだったかもしれない。

私たちはいつも戦いの中で、助け、励まし、そして求めあってきた。

でもそれは、政宗殿が、私の心の中を、体を使って探ろうとしていた行為であり、こうして彼が、私の剥き出しの気持ちを受け止めるのは、これが初めてだ。

その手は、とても優しい。


「紫乃・・・」


空気はこんなにも冷たいのに、互いの熱が伝わりあい、どんどん上昇していく。

もう、何もいらない。

この熱があれば、私は・・・


──そう思っても、また、幸村様の顔が浮かぶのだ。


「政宗殿。・・・甲斐へ戻る」

「・・・何?」

「・・・幸村様と、話さねばならない」


私が政宗殿を選ぶこと。

幸村様や、お館様、武田の皆。

それらを全て捨てて、政宗殿を選ぶこと。


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