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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第3章 幸村の想い





「・・・すまない。政宗殿」

「ごちゃごちゃ考えやがってうるせぇんだよ! テメェは俺のもんだっつってんだろ! 今さらあの野郎に何を言われたか知らねえが、血迷ってんじゃねぇ!」

「・・・政宗殿。お前は、私と幸村様の絆を、甘く見ている」

「ア"ァ!?」

「幸村様は私の大切なお方だ。幸村様が私を愛しているというのなら、私はそれを受け入れたいのだ」

「テメェッ・・・!!」

「なのに!!」



──涙が止まらない。

胸の奥底から沸き上がる気持ちに、抗えない。



「なのにっ・・・幸村様が一番、大切なのにっ・・・それなのに、全部お前のせいだ、政宗殿・・・
お前が現れてから、メチャクチャなんだ・・・お前に出会わなければ良かったのだ・・・
お前に出会わなければ、私は、私は幸村様のお気持ちに、応えることができたのにっ・・・」


──全部全部、政宗殿のせいだ。


「紫乃・・・」

「お前のせいだ・・・お前なんて大嫌いだっ・・・」

「・・・こっち向け、紫乃」

「嫌だ! お前の顔など見たくない! 幸村様が一番大切なのに、それなのに私は、お前のことっ・・・・

好きで・・・好きで、好きで、好きでっ・・・

お前が好きで・・・どうしようもなく、好きで・・・

好きで、好きで、好きで・・・

好き、でっ・・・」


止まらないんだ。

政宗殿のことが、好きで好きで好きで、もう、止まらないんだよ。


「っ・・・紫乃、オイ・・・お前、」

「政宗殿が、好きでっ・・・本当に、そんな自分が、許せないんだっ・・・許せないのに、自分の気持ちを殺してしまいたいのに、なのにっ・・・」


私が言い切る前に、政宗殿は、私の体を、強く強く抱き締めていた。


「・・・もういい、紫乃」

「なのにこんなに、お前のことが、好きなんだっ・・・」

「もういい・・・十分だ」


鍛え上げられた固い肉体は、私を真綿のように優しく包んだ。

──ごめんなさい、幸村様。

私はどうしても、この腕の中にいたい。


何度でも、この腕に戻ってしまうのだ。




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