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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第3章 幸村の想い




「久しぶりじゃねーか、紫乃」

「政宗殿・・・」


─ドクン─


幾日かぶりに会う政宗殿は、最後に見た勇ましい鎧姿ではなく、凛とした袴姿だった。

共に豊臣を追った戦いでは鎧姿ばかりを見ていたが、この城にいるときの袴姿の彼は、女である私よりも艶があり、色っぽく感じられた。

そんな彼が、くくりつけられて動けぬ私の視界の端から、徐々に近づいてくる。

顔が熱くなっていく。

顔を背けても、ザッ、ザッ、と砂を踏む足音が、もう、すぐそばにある。


「・・・おせーんだよ。俺をどれだけ待たせやがるんだ、テメェは」


艶やかな姿には似つかわしくない、勇ましく雑な声色。

それが耳の近くで発せられる。

突然のことに、縛られていることは関係なく動けなかった。

身は固くなり、彼の目を見ることもできない。


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