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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第3章 幸村の想い




騒ぎの起きている場所は、武田が領内を守るために兵が駐屯している矢倉だった。

私が駆けつけたときには、矢倉の一部が壊され、そこで見張りをしていた三人の兵が、他国の徒党と戦っている最中であった。

見るからにただの「小競り合い」だった。


徒党は確かに伊達軍の武装をしており、四人で矢倉を襲っている。

しかし、とても本気とは思えない。

ただちょっかいをかけているだけに見えた。


「おいお前ら! 何をしている! ここを武田の領地と知っての襲撃か!?」


まるで喧嘩の仲裁をするように、その輪の中に近づいていった。

すると驚いたことに、徒党は見知った四人組だったのだ。


「おう! 紫乃、ひさしぶりだな!」


文七郎、孫兵衛、佐間助、そして良直。

武田の矢倉を襲ったくせに、ケロッと私に挨拶をしてきた。

・・・何を考えてるんだ。


「ひさしぶり、じゃないだろう! これは何のマネだ!」

「騒ぎを起こせばお前が来ると思ったんだよ」

「はあ!?」

「紫乃、いつになったら筆頭に会いに来るんだ? 俺達、待ちくたびれて、こうしてお前を呼び出しちまったぜ」


いきなり友好的になった伊達の四人組に、武田の兵たちは迷惑そうにひと睨みすると、矢倉を立て直し始めた。

私はとりあえず、四人組といえど、いつまでも伊達軍を領地に居座らせるわけにもいかないので、私の方が伊達の領地へと移動することとなった。


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