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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第3章 幸村の想い




「まあでも、紫乃。この機会によく考えてみるといいよ。両方と良い関係でいることなんて、できないからね」

「佐助様・・・」

「旦那を選ぶなら、もう独眼竜のことは切り捨てなくちゃならない。反対に、独眼竜を選ぶなら、もう旦那のお付きにはなれないよ。お館様とも、旦那とも、もちろん俺とも。武田と今までどおりになんて許されない」

「っ・・・!」


そこは、私が恐ろしくて目を背けていた部分であった。

だからずっと、政宗殿の気持ちに応えず、曖昧にしてきた。

それは政宗殿と触れ合うたび、心のどこかでは感じていたのに、見てみぬフリを続けてきたのだ。

政宗殿の側にいるということはすなわち、武田から離れるということなのだ。

政宗殿は、いずれ幸村様と決着をつけることとなる。

政宗殿の側で、幸村様との戦いを目にしなければならなくなるのだ。


「・・・佐助様・・・私は・・」

「まあ、俺が言えるのはここまで。決めるのは紫乃だからね。自分がしたいようにするといい、後悔しないように」

「・・・はい」


佐助様はそれだけ言い残し、立ち上がって行ってしまった。


残された私は、空を見た。

冷たい風が、背をかするように吹いていた。

甲斐がこんなに寒くなったのだから、奥州はさぞや、刺すような寒さなのだろう。

少し離れている間に、景色は変わっていた。


もうすぐ冬だ。




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