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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第3章 幸村の想い





あまりの衝撃に、私は言葉が出なかった。

驚くこともできなかった。

ただ男らしい目で私を見つめる、幸村様のお顔を、口をぽっかり開けたまま見つめ返すことしかできなかった。


(幸村様が、私を・・・?)


「しかし、紫乃。分かっている。紫乃が政宗殿に想いを向けていること」


そこでやっと、私は顔を赤くしたのだと思う。

図星であるその事実を、幸村様に言われてしまったからだ。


「ゆ、幸村様・・・」

「しかし、某の気持ちは変わらぬ。紫乃への想いを消し去ることなどできぬのだ。・・・男として、政宗殿のところへは、戻ってほしくない」

「っ・・・」


そうはっきりと言葉にされたとき、私の中に、なんとも言えない感情が溢れてきた。

ずっとずっと、共に育ってきた幸村様。

幸村様は友であり、兄弟であり、今は主君なのだ。

その幸村様は、ずっと、ずっと、私を想っていたというのだ。


「幸村様・・・」


それは戸惑いの感情もあった。

しかし、そこにずっと気づかずにいた私の愚かさと、幸村様をずっと傷付けてきたのだという事実が、私を締め上げた。

政宗殿の顔は、一瞬浮かぶも、すぐに消えた。

幸村様の言葉が頭の中をかき回すようで、何も考えられなかった。

ただただ、何も知らずにいた自分の愚かさだけが、この胸を痛くしたのだ。


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