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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第3章 幸村の想い




幸村様がこんなにも立派に、一人の武将として誇らしくあられることに、嬉しさが込み上げてきた。

だから幸村様がこうして目覚めたとき、日ノ本は守られたことを、私が一番に伝えたかったのだ。

伊達軍はすでに奥州へ戻ったとの知らせを聞いてはいたが、幸村様がこうして目覚め、その勝利を伝えるまでは、政宗殿に会いに行くことを後回しにしていた。

それくらい、嬉しかったのだ。

──しかし、こうして幸村様にお伝えできたのだから、次は政宗殿に会いに行かなくては。

政宗殿が豊臣を降したこと、それもまた私を誇らしさで満たしている。

政宗殿にも、賛辞と激励、そしてこの心に秘めたままのたくさんの言葉を伝えたい。


「紫乃」

「なんでしょうか、幸村様。」

「某が毛利を落とすことができたのは、紫乃のおかげでござる」

「え・・・?」


幸村様はそう言うと、布団から起こした体を、こちらへ向けた。


「要塞の熱にあてられたとき、紫乃の声が聞こえたのだ。その声が、某を正気に戻した。勝たねばならぬという強い意志を呼び戻したのでござる」


何の役にも立つことが出来なかったと思っていたので、私はその言葉に素直に顔を赤くした。

幸村様のお役に立てた。


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