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【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第2章 右目を追う




──毒に犯されていた体は、もう末端までよく動くようになっていた。

飛行忍具を取り出して、今一度、伊達軍に別れを告げた。


「それじゃあ、私はもう行く。政宗殿、片倉殿! 必ずや豊臣を降し、日ノ本を守ると信じている!」

「紫乃、死ぬんじゃねーぞ! お前もデケェ要塞を片付けた後はさっさと戻って来い! さっきの続きはそのときだ!」

「っ・・・」


相変わらず周囲を気にせず恥ずかしいことばかり言う政宗殿だが、今はそんな彼に後ろ髪を引かれる思いでその場を発った。


(幸村様とともに戦い、そののちは、必ずやまた政宗殿のもとに・・・)



──そんなことを考えていた自分の甘さを、このときはまだ分かっていなかったのだ。

大切なものは、どちらも守ることなどできない。

片方を選べば片方を捨てねばならないと、このときの私には気づかなかった。


いや、気づかぬフリをしていたのだ。


片倉殿はそれを見抜いていたのだろう。

だからこうして私を揺さぶったのだ。


──私はこの後、自身がどんなに愚かであったか、思い知ることとなる。



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