• テキストサイズ

【戦国BASARA】*月夜の盃 2*【R18】

第2章 右目を追う




「・・・政宗殿」

「お前が決めろ。確かにこれはどっちが死ぬかも分からねぇpartyだ」

「・・・」


政宗殿はそんなことをいいつつも、心の中では幸村様を選択することを禁じているように思えた。

強制力のある瞳だった。

目を閉じると、目の前にいる政宗殿の顔よりも、離れた場所でずっと奮闘されていた幸村様の姿が思い浮かんだ。


「・・・政宗殿。すまない。私は幸村様のもとへ行く」

「・・・そうかよ」


政宗殿が自分にとって大切なものになればなるほど、同じく幸村様のことも大切な主君だと思えてならなかった。

ここで政宗殿を選べば、なぜか、幸村様に見限られてしまう気さえした。

政宗殿のそばにいたいと願うことは、幸村様を、武田を遠ざけるということなのだ。

私は往生際の悪いことだが、幸村様を失うことも嫌だった。


「紫乃・・・」
「なんだよ紫乃、筆頭と一緒に行かねーのか?」
「紫乃さん、本当にそれでいいのか?」


私の決断を鈍らせるように伊達軍がけしかけてきたが、片倉殿はそれを諌めた。


「お前ぇら、紫乃にとっての郷は武田だ。一時の感情で主君を二度と見れねぇことなる、そんな後悔はさせたくねぇ」


片倉殿が私の恋心を「一時の感情」と表現したことに、政宗殿は怪訝な顔をした。

また、私も幸村様が死ぬ可能性を示唆されたことが辛かった。


/ 152ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp