第2章 大切なあの子【土方夢】
「じゃあ、失礼します」
襖に手をかけるを呼び止める。
「…おい、教えたところで、何か得するのか?」
「私は土方さんが大好きですから…気になるのは当たり前ですよ?好きな人の事を知りたいって思うのは普通だから」
「そうか…」
好きな人の事を知りたい。
素直な気持ちは
いつの間にか無くしていたのかも知れない。
コイツになら打ち明けても大丈夫だろうか?
「俺の大切な奴は……お前だよ。」
「え…ウソ!ドッキリですか?カメラは?ダッタラーンって音は?」
信じられないのか、キョロキョロ辺りを見渡す。
「…んなもん無い。良いから最後まで大人しく聞いてろ」
「あっ!…はい」
立ったままのは、慌てて俺の前に正座をする。
「俺は、お前を幸せにしてやることが出来ないと思ったから、伝えずにいようと思ったんだよ」
「ちょっ…待ってください!私、幸せにしてもらわなくても大丈夫です!」
「何でだよ?」
「だって、二人で一緒にいるだけで心が満たされるんだから、必要ないですよ」
今は女も強いですからね!と腕捲りをしてみせる。
「お前見てると、やっぱり飽きないな」
フッと笑うと
「土方さん、大好きです!」
が抱きついてきた
バランスを崩して、に組み敷かれるような体制になってしまった