第2章 大切なあの子【土方夢】
「…さん!土方さん!起きてくださいよ~」
「…ん?…」
の大声で目が覚める。
見慣れた自室の天井。
あぁ…今のは夢だったのか
「寝言を言ってましたけど、どんな夢見てたんですか?」
「俺、変な事言ってなかったか?」
「あ、えっと…大切だからこそ、手は出さないって。」
肝心な所は喋ってなかったみたいでホッとする。
「土方さんにとっての大切な人って誰なんですか?」
起きがけの一服をしようと
火をつけた煙草を咥えようとした時、
からの鋭い質問に
煙草を布団に落としそうになる
「バっ…んなの、教えねぇよ…」
「…羨ましいなって思っただけです。土方さんの大切な誰かが…」
私じゃないだろうから、余計に辛いんです
小さく呟くの背中を
抱き締めてあげたいけど
体が動かない。
「…朝から変なこと聞いてごめんなさい!
あの、食堂で土方スペシャル作って待ってますね…」