第3章 満月の夜(高杉夢)
「え、頭…今なんと?」
「だーかーら、には攘夷浪士の中で最も危険な男。高杉晋助の行動を監視し、
御上に伝える大事な大仕事を頼みたい」
開いた口が塞がらないこの娘、。
御庭番の新人くのいちである
「でも、この案件は…あやめさんと二人で遂行する様にと先日仰っていたではありませぬか」
「俺もそのつもりだったんだが…猿飛には、そよ姫の護衛に就くことになっちまってな…手が空いてる奴は居ないんだよ…悪いな」
仕事を選べる立場じゃないのは百も承知。
だけど不安しか無い
…一番危険な男を新人独りに任せるなんて……
でも、頼まれた仕事は何が何でもこなすのが忍の掟。
「…承知!不安もありますが、御上の為ならば必ずや、成し遂げます」
「まあ、俺も手伝うから、何かあれば必ず知らせろ」
肩をポンと叩き、頭は去っていった。
「先ずは…変装しなくては…」
まだ変装の衣装が充実していない私は街へと繰り出した。