第1章 生きてみせろ
おぎゃー!おぎゃー!
「…………………」
血溜まりまでたち戻り、赤子を眸睨すると
クロロは練を行った。
すると
ピタ、と泣き声が止んだ。
く、とクロロは口角をわずかにあげる。
(まさか、
身の危険がわかる訳でもないだろうに)
そして、そのまましゃがみこむとーー・・・
赤子に向かって発を行った。
カッ
「あっ……ぎゃー!あぎゃー!あぎゃー!」
「うるさい」
クロロの放ったオーラの余波で、血溜まりは周囲のゴミと共に吹き飛んでしまった。
そんな中、肝心の赤子は………
全身の精孔が開かれ、細い身体からオーラを立ち昇らせていた。
身体中を血とゴミで汚し、へその緒さえ付きっぱなしの、産まれたままの姿で。
あぎゃー!ぎゃー!!
赤子は火がついたように泣き続ける。
クロロはその様子をしゃがんだまま、至近距離から覗きこむ。
(このままオーラを出し尽くしたとしたら、
お前は間違いなく死ぬだろう)
(さぁ、オーラを止めてみせろ)
(………生きてみせろ)
闇よりもなお暗い、クロロの黒曜石の瞳
その狂気を孕む漆黒に、懸命にもがく命の姿が映り込んだ。