第2章 不思議な転入生
担任
「んーじゃあ、花澤さんは高遠くん…あのちょっとチャラそうな彼の隣に座って」
春太
「ちょっとチャラそう…」
苦笑を浮かべる春太の言葉に智晃へ送られていた笑いとは違う笑いが充満する。
それを気にする事なく凛は、学園制服である緑のセーラーワンピースの
ふわっと広がった二段フリルのスカート裾を揺らしながら春太の隣の空いている席へ腰を落ち着けた。
凛
「初めまして、ちょっとチャラそうな高遠さん。凛と呼んでください」
冗談めかしたように微笑みながら春太へと白く細い手を差し出していた。
春太
「あ、えと…高遠 春太。宜しく」
照れたように凛と握手を交わしている春太を見ていると、彼女と目が合ってしまい智晃は思わず固まってしまう。
智晃
「あ…っと…」
凛
「凛と呼んでください。宜しくお願いします」
春太と握手を終え。
同じ様に手を差し出されると、智晃は戸惑いつつもその手を握ると体温の低い手に握り返される。
智晃
「河野智晃。智晃で良い、宜しく」
挨拶を簡単に済ませてから、お互いに手を離す。
思い出した事について問い掛けるには今がチャンスかもしれない…と、思い口を開き投げようと思った智晃の言葉は授業開始の鐘に阻まれてお預けとなった。