第8章 不思議少女の正体
智晃
「凛は…」
凛
「はい?」
智晃
「本当に人間、なのか?」
緊張からか怒られるのではないかという不安からか分からないが手にじんわりと汗をかいているのが己でも智晃は理解できた
凛
「…ふふ」
智晃
「……っ?」
急に小さく笑い声を漏らした彼女に智晃は驚いてまじまじと見詰めてしまう
凛
「人間ではありませんよ」
やっぱり、という思いが大きくて智晃は驚く事はなかった。
それよりもどの種族なのだろうとすら考えてしまっている
凛
「ここなら大丈夫ですね」
智晃
「?」
凛
「ふふ、お待ちくださいね」
凛が、ぱちんっと指を鳴らすと彼女の身体が淡い光に包まれ次に現れた姿は今まで見ていた凛ではなく…
智晃
「なっ…」
腰まで伸びた真っ白な髪と白い肌も相まってか丸く大きな瞳の中で輝くサファイアブルーはまさに宝石のようだった
勿論この種族の事は智晃も知っていて驚きが隠せなかった
智晃
「お前…セレナイト族、だったのか…?」
凛
「はい」
目の前で頬笑む凛は神々しくすら感じ、今まで見ていた姿よりも圧倒的に此方の方が彼女らしいと智晃は思った。
凛のような白い髪と肌、サファイアブルーの瞳は稀少種族であるセレナイト族の特徴だ
…という事しか今の智晃には…いや、人間にはそれくらいしか知らされていない