第8章 不思議少女の正体
驚いたのと同時に智晃の冷静な部分がある一つの事に辿り着く
智晃
(もしかして、母さん達が見た白い天使みたいな人って…)
内心で呟くと、これが事実として確定要素である気しかしなくなってきた智晃は口を開く
智晃
「母さん達に俺を預けたのって…凛なのか?」
智晃からの問いに凛は優しく微笑みながら頷いた
が、次の瞬間には智晃が知り合ってから一度も見た事もない程、苦しさと後悔が滲む表情を浮かべていた…
智晃
「凛…?」
控え気味に彼女の名を智晃が呼ぶと少し視線を泳がせてから、凛が苦し気な笑みを浮かべた
凛
「私は…彼等を守れませんでした」
智晃
「え?」
凛
「貴方のご両親をです」
智晃はその瞬間、知りたくなった。
いつも笑顔の凛がその表情を崩す程の出来事。
自分の産みの親がどんな人物だったのか…
そして、自分には知る権利があると思った。
智晃
「…その時の事、聞いても良いか?」
凛はその言葉を予想していたのか苦笑しつつも頷いた