• テキストサイズ

彼岸花を抱いて

第8章 不思議少女の正体




その綺麗すぎる凶器に智晃は見惚れてしまう






「智晃、ぼーっとしている場合ではありません」

智晃
「そ、そうだ。わりっ」




智晃は慌てて地面に置いていた剣を取り構える


が、元々武器を振り回した事も鎌を相手に戦った事もない智晃は構えるだけでどういけば良いのか具体的なものは分からない
だから先程だって腰が退けたまま剣を振るっていたのだ





「まずは本気で思うままに剣を振ってください。…いきます」




凛は大きく横に鎌を引くと身体の重心を後ろに やり、ぶぉんっと音をたてて思い切り振られた刃の内側に智晃を巻き込もうと躊躇なく力を入れる





智晃
「どわっ…!」




智晃は慌てて身体を横に転がしてかわす





智晃
(まじでやんねぇと…死ぬ!)




立ち上りしっかりと柄を持つ手に力を込め、地面を蹴り凛へ向けて剣を振りおろすが刃同士がぶつかり高い音をたててかわされる




何度もぶつかり合う刃の振動で手は痺れ、慣れない剣の重さに腕が重くなり気が付けば智晃の呼吸は先程のように乱れていた
が、その一方で凛は呼吸が乱れるどころか汗一つ流していない
智晃は疑問を持ったのだ。
いくら自分が魔器を使いこなせていないとはいえ、隙をついたりとまぐれな良さはあった筈…
ずっと思っていたのだ、彼女の強さは普通ではないと。




それと、人間や智晃が知らなかった事を全て知っている様な言動…




聞いて答えてもらえるかは別として、智晃は聞かなくてはいけないような…そんな気がどこかでしていた




智晃
(聞かなきゃ何も始まんねぇ…)



/ 153ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp