第7章 一つの決意、大きな一歩
ー 10分後 ー
智晃
「すっげぇ…!」
晒していた腕を見ると智晃は声をあげた
彼の左肩から肘にかけて綺麗な赤いガーベラが沢山咲いていた
人生で初めて見るその刺青と職人技に智晃は暫く騒いでいたが、凛に声を掛けられた為そちらに顔を向ける
凛
「ガーベラの色を赤にした理由…お聞きしても?」
智晃
「んなもん簡単だっつーの。俺がスピネル族なら赤が特徴だからな」
にかっと歯を見せて笑う智晃に凛は一瞬驚いたように目を丸くするも、その彼の前向きに受け入れようとする姿に笑みが浮かぶのだった
呂道
「出来の良い若造じゃ」
目を細めて呟く呂道はとても嬉しそうだった
凛
「智晃」
智晃
「ん?」
凛
「貴方にこれを差し上げます」
智晃
「おう、さんきゅ…って妖獣リングじゃねーか!」
妖獣リングとは妖精や魔獣の事を表す妖獣を
出現させるための金のリングで、撫でると出現しその逆に撫でると妖獣がリングへ戻る仕組みになっている
ただし、妖獣は力がない者は従わせられない為一人一つが決まりなのだが力があり従わせられるのなら複数所持する事が可能だ。
凛
「妖獣はとても力になる存在です。持っていて損はないと思います」
智晃
「そうだけどよ」
人間でも妖獣を従えている者はいるが智晃は一度も手にしようと思った事が無かったのだ。
それに対して何か躊躇する理由はなくただ何と無く持っていなかった
智晃
「わーったよ」
凛
「契約の仕方はお分かりですか?」
智晃
「分かんねぇ」
凛
「お教えします」