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彼岸花を抱いて

第7章 一つの決意、大きな一歩





「呂道」

呂道
「はいな」


「小さなナイフをお持ちですか?」

呂道
「えぇ、持ってますとも」



凛は呂道から小さなナイフを受け取りそれを智晃へ渡す





「このリング自体には妖獣はいません」

智晃
「そうなのか?」


「はい。持ち主に合っていない妖獣が現れてしまったら大変ですからね。…ここに溝があります」



凛が智晃が持っていたリングを取って中央にある溝を指差す





「この溝に契約者である智晃の血を少しだけ垂らすのです。…そしたら、貴方に相応しい妖獣がリングに宿ります」

智晃
「うぇ、自分でか…」


「やりましょうか?」

智晃
「いや、自分でやる」



智晃は慌てて首を振るとナイフを握り、ふぅっと大きく息を吐き出してから左掌を切り溝に溢れた血を垂らす




「白ですか」

智晃
「んなわけ…これ間違ってんじゃねぇか?」

呂道
「おい若造、妖獣リングが間違えるわけないじゃろ」


「そうですよ」



白、というのは妖獣石の色をさしている。
リングに宿った持ち主に相応しい妖獣の妖獣力という力の強さを表す階級判断をする為の石で黒白青赤の四色あるのだ



【赤】は最も弱く人間が扱える妖獣。

【青】は一般的な強さの妖獣で種族の所持率が高い。

【白】は強い妖獣の為、戦闘力か魔法力が上等級以上ではないと厳しいが魔法力が上等級以上なら人間でも可。

【黒】は最も強力な妖獣な為、所持者は稀。戦闘力も魔法力も上等級以上でないと厳しい。




その上で智晃は白なのだから、上等級で種族の中でもすぐに幹部クラスになれる程の魔法力の持ち主という事だ。





「やはりそうですね」

智晃
「?」


「智晃は魔法力は優秀で吸収も早いですが、圧倒的にセンスがないのです」

智晃
「おい!それ言うか!?」

呂道
「ホッホッ…きつい事を仰るのう」



ぎゃんぎゃん抗議をする智晃を呂道は髭に触れながら愉快に笑った



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